本に没頭しているときの幸せなありさまーー心が別の世界へとトリップする時間を「居留守」と称し、その留守番を引き受けるがごとく、訪れる人を何時間もとどまらせてしまう不思議な場所。「居留守文庫」は、そんな古書店です。店内にぎっしりと積まれた可動式の木箱には、個性あふれるさまざまな古書店からの選書が並びます。今回はその中から、「LVDB BOOKS」という古書店とともに東京蚤の市に初出店! 本に夢中になるあまり、現実の世界を留守にしたまま帰れなくなるかもしれませんよ。
居留守文庫店内。250個の可動式の木箱を使い、舞台装置のように仮設を繰り返すことで新鮮な空間を演出しています。自由度の高い空間は多様なスタイルの作品を展示できるギャラリーにもなります。
LVDB BOOKSは実店舗を持たないため、会場によってレイアウトが変わります。壁にかけられているのはラオスのレンテン族の布です。不規則なパッチワーク状の風呂敷は乱調の中にある美を感じさせます。LVDB BOOKSはその哲学に共感します。(2014年1月、居留守文庫主催の古本市会場で撮影)
1935年に公刊された専売局『煙草製造創業三十年誌』です。昔の社史は造本もしっかりしておりビジュアルも豊富なので、アートブックのような読み方をできます。社史・団体史は一般の新刊書店では流通する機会の少ない古本屋ならではの書籍ということで力を入れて集めています。(LVDB BOOKS)
「筑豊」というテーマで編まれた2つの写真集。『土門拳写真集 筑豊のこどもたち』(パトリア書店、1960年)と 『写真万葉録・筑豊 9アリラン峠』(葦書房、1986年)。別々の2つの本を結び合わせることで、新たな視座を提供します。(LVDB BOOKS)
昭和30年代の『女性自身』は内容は現在とそれほど変わっていないのに、表紙のデザインの違いが顕著です。LVDB BOOKSは本のデザインを販売しています。(LVDB BOOKS)
山本夏彦『二流の愉しみ』、昭和59年発行の講談社文庫。珍しくもなんともない本でまさしく二流の部類に入りそうだが、帯には若き頃の桑田佳祐の写真が!
捨てられそうなものにも注目してささやかな愉しみ(=価値)を見出していきたい。(居留守文庫)
芸術が広義の「運動」となり、大きなうねりが発生した20世紀初頭。その作品に向けられる視線の熱さには時代によって差があり、出版されてきた書物や作品集がその度合いを雄弁に語っている。1920年〜1970年〜現在と、時代の熱と波を感じながら見渡すのが古き良きものの楽しみ方の一つ。(居留守文庫)
【居留守文庫/LVDB BOOKS 岸昆虫さん(居留守文庫)からご来場いただくみなさまへメッセージ】
大阪阿倍野の古本屋・居留守文庫です。さまざまな経歴を持つ人たちが店内で出品している間口の広い古本屋。
それだけに品揃えはオールジャンル&型やぶりです。読みたい・学びたい・遊びたい・溺れたい…などなど、多様なニーズに応えられる場所を作っています。
そんな場所を支える店舗内店舗の精鋭LVDB BOOKSと手を組んで、東京蚤の市に初めて乗り込みます。
古き良きものという観点で古本をセレクト。幅広いジャンルの本が入り混じる「小さな居留守文庫」を、ディスプレイにもこだわって作ってみます。
【店舗情報】
大阪市阿倍野区文の里3-4-29
tel. 06-6654-3932
http://irusubunko.com