マルカ(兵庫/MAP129)

▼思い入れのある一品とそれにまつわるエピソードを教えてください
「フィンランドのデザイナー、イェンニ・トゥオミネンがデザインをしたテキスタイル ”marjat(マルヤ)”の布こものたち」
毎年買い付けで行く北欧への旅。アラビアやイッタラのヴィンテージ食器や、マリメッコの生地や古着などの古いものを探しに行きます。実店舗をオープンしてから10年、オンラインショップをはじめてからは12年、いわゆる「雑貨の買い付け」以外にもお楽しみなことが増えてきました。それは憧れのデザイナーに会いに行き、コラボレーションで新たな商品を生み出すこと。
2019年に誕生したテキスタイルブランド「ウーラッコ」もそのひとつ。
第1作目となるアーティストはフィンランドのデザイナー、イェンニ・トゥオミネン。2018年夏にウーラッコのために描きおろしたデザイン”marjat(マルヤ)”、フィンランド語で”ベリー”を意味します。イェンニのサマーコテージを訪れたときのこと、広大な庭にはベリーやハーブ、大きなりんごの木がありました。みんなで森へ行きブルーベリーを摘み、その摘みたてのベリーを使ったベリーパイはとても贅沢な味わい。自然と静けさに囲まれたコテージで過ごすゆっくりと流れる時間、この場所だからこそインスピレーションがわき、イェンニの作品の世界観に繋がっていくのだと感じました。そして、このテキスタイルのアイデアが生まれたのです。

 

▼マルカさんの或る1日のスケジュールを教えてください
「フィンランド買い付けの或る1日」
10:00
フィンランドのイラストレーター、Matti Pikkujamsa (マッティ・ピックヤムサ)のアトリエへ。マッティとはオリジナルのグッズ製作や作品集の出版など数々のコラボレーションと、似顔絵イベントを企画しています。次回、マッティが来日する際の似顔絵イベントのスケジュール調整や、新たな商品企画についての打ち合わせをしました。

13:00
マルカはカフェを併設したショップです。駅から山側に10分ほど歩いたところにお店があるので、来てくれた方にはゆっくりとしてもらいたい。メニューは北欧の伝統的なパンや季節のお菓子から考えています。買い付けの合間には、友人のおうちを訪ねて、本場フィンランドのシナモンロール作りを教えてもらいます。

17:00 
ヒンメリはフィンランドの伝統的な装飾品。麦わらに糸を通し、立体的なひし形をつくり、繋ぎ合わせてつるします。もともとは伝統的なクリスマスの飾りで、農家が翌年の豊作を願って作るものでした。今ではインテリアとして日本でも注目を集めています。お店をはじめた10年前、フィンランドのヒンメリ作家のおばあさんにつくってもらい、販売をしていました。しかしその数年後リタイアされました。新たなヒンメリを探して尋ねたのですが、そう簡単には見つからず、5年の月日が流れていました。

そして、やっと出会ったヒンメリ作家のリトヴァさん。フィンランドの郊外にお住まいで、彼女の住む街のカフェで待ち合わせをしました。そこで少しおはなしをしてから、リトヴァさんのおうちへ。キッチンに入ると窓辺にはいくつものヒンメリが並んでいて圧倒されました。風でゆっくりと揺れたり、夕方になるとヒンメリの影が壁に映り「光のモビール」の美しさを感じました。作業風景も見せていただきました。フィンランド産のライ麦にこだわり、農家さんから譲ってもらうのだそう。自然乾燥させた麦わらの中から細い茎の部分だけを選び、組み立てる場所によって使い分けている。彼女のヒンメリはとても繊細で美しく、アート作品のようです。販売用にと、少し譲っていただくこともできたのです。

 


▼お店の内観

▼カタログ予習帳

マルカ
〒650-0003 兵庫県神戸市中央区山本通3-1-2 谷口ビル2F
tel. 078-272-6083
http://markka.shop