【ひと目見ただけではわからない、謎を秘めたモノの美しさ】

一見何かわからないもの。作者不明の美しいもの。そんな「謎」を秘めたものこそ、心惹かれてやまないのはなぜでしょうか? 当時は当たり前に使われていた道具が、長い時間の旅を経て不思議な魅力を獲得することがあります。芸術家でも画家でもない、どこかの国の誰かが描いた絵や作った品が、有名なアートよりも饒舌に語りかけてくることがあります。そこにはきっと「美しくありたい」という欲ではなく、純粋な「道具としての機能」や「作ることの楽しさ」が結実しているから。見つけられたモノたちも、時を経て誰かの目に留まることを喜んでくれているかもしれません。国も、年代も、素材や用途もさまざまな、未知の宝探しに出かけましょう。

noeudくるくると巻かれた網。繊細な糸のからまりに見入ってしまいます。

タカミネ
焼きものの失敗作でしょうか。不思議な力強さがあります。

N°CONCEPT1920年デザインのヘッドホンは、金属人類学入門な一品。

1900〜1930年頃の「露出盤」。撮影時に露出を決めるために使用した物だそう。

MANSIKKA重厚感のある滑車は照明やドライフラワーと合わせて。

La Grasse Matinee1900年前後のガラスの写真ネガです。これを撮った人は、こういう風に街を見ていたのでしょう。風景や服装に古き良きフランスの香りが感じられます。

izauraフランスで見つけた、どこかの誰かによって作られた帆船。帆の結び目などディテールも美しい。

ironmonger

青錆びの具合の良い銅製釣瓶。植物を入れたりしても楽しめそうです。

MAREBITO

昭和のメトロノーム、器械部分を取り外し、外側は古い木材を組み込んでリメイク。古いものに新しい命が吹き込まれたものも見ていて楽しい。

「いつ誰が何のために作ったのか?」。知ればもっと面白くもなるし、謎のままおいておくのも一つの手。謎解きを楽しむように蚤の市をめぐる私たちを、100年前の誰かが見たら、何と言うでしょうね。